2009年12月14日

「明石小学校校舎建て替え再考に関する要望書」全文

平成21年12月

中央区長 矢田 美英 様
中央区立明石小学校の保存を望む会
代表 中村(明石小学校第77回卒業生)

明石小学校校舎建て替え再考に関する要望書

私どもは下記の理由により、中央区立明石小学校及び明石幼稚園舎をリノベーションし、歴史的・文化的価値ある同校舎を今後も利活用されるよう強く要望いたします。

1. 歴史的・文化的価値ある建物である
 明石小学校は、関東大震災の復興事業の中で進められたモダンデザインによる小学校建築(一般的に「復興小学校」と称する)です。今では残り少ない復興小学校の中でも、区内にある他校よりも古く、単なる校舎としての価値のみならず歴史的・文化的価値の高い建物です。80年以上経った現在でも耐震性に問題はなく、まだ使える建物であるのも評価すべき、誇るべき点です。このことは、私たち卒業生や区民が貴重と考えているだけでなく、建築関係者など専門家のなかでも既に一定の評価を受けているものです。

2. 地域のシンボルであり、地区固有の特色がある
 明石小学校は、隣に聖路加国際病院礼拝堂、向いに築地教会(聖ヨゼフ教会)という場所に位置しています。この一帯は建築物の観光に来る人も多く、旧き良き中央区の面影を残しているところと言えます。現在の中央区は開発が進み、レトロモダンな建物が3つも残っている、このような場所は数少なくなりました。聖路加国際病院礼拝堂のおかげで戦災を免れた明石小学校も、他の二つの建物とともにこの地区固有の歴史を伝える建物です。また地域住民はこの曲線の多い優しいデザインの校舎に愛着を持っており、地域のシンボルとしての機能も果たしています。明石小学校は長い間親しまれてきた明石町の都市景観形成に欠くことのできない建物だと言えます。

3. 地域住民の世代をつなぐ建築物である
 今の子どもたちの親の世代、祖父母の世代までもが同じ学び舎で学んでいます。明石小学校は、地域の世代間の重要な架け橋なのです。先達が大震災後に「壊れない小学校を」と建ててくれた学校が、80年以上の時を超えてもまだ学校として機能しているのは、感謝すべきことであり誇るべきことです。戦後変わらずそこにあった明石小学校に、疎開していた当時の小学生や地域住民は、きっと安堵したでしょう。今でも卒業生は、母校を訪れやはり同じように安堵します。親や祖父母は子どもたちに自分の小学校時代のことを語り、子どもたちは地域の歴史を知ります。校舎はあらゆる世代、それも現在存在しない世代とすら共有できる思い出の場所であり、今後もそうあるべきです。古い校舎を解体して新しい校舎を建築することが、子どもたちの教育に最も良好な環境なのでしょうか。私どもは、歴史ある建物こそ、子どもたちの情操と地域を愛する豊かな心の育成に重要と確信しています。リノベーションにより古い校舎が新たに生まれ変わる姿を見た子どもたちはどんなに感動し、その後の人生の指標となることでしょう。ここが私たちのルーツだと胸を張れる校舎を、後の世代まで残すことこそ、中央区の使命ではないでしょうか。

今回の計画を実行すれば、壊したら二度と復元の出来ない貴重な建造物を、区が自ら失うことになります。建て替えに至るまでには、様々な理由があり、検討を重ねたと聞き及んでおります。しかし、 明石小学校が貴重な文化遺産であるという所に視点を移し、子どもにとっても卒業生、地域住民にとっても最良の方法を再考していただくことを要望いたします。その上で、明石小学校の歴史的・文化的価値をどのようにご理解いただいているのか、文書にてご回答くださいますようお願い申し上げます。

連絡先
中村
akashihozon@gmail.com


上記要望にご賛同くださる方は、
下のPDFをダウンロードし、ご署名の上
要望書にある連絡先に送付いただけると嬉しいです。
 
明石建て替えに関する要望書.pdf
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