2010年03月27日

復興小が丈夫なワケ

リノベーション模型が登場したことによって、
建築家さん(または建築関係者のかた)たちのお話がたくさん聞けました。

その中で興味深かったお話が「昔のコンクリートが丈夫なワケ」です。

ウケウリ的に、「昔のほうがコンクリートの質がいいんです」と
今まで私も何度かこういう場で書いたり言ったりしています。

知っていたのは文字通り、質が良かった、すなわち
「川の砂利を使っているから上質」ということ。
これは、海の砂利を使うと塩分が混ざって、塩分が混ざると
鉄筋がさびるとか?とにかくコンクリートの質が落ちるのだなーというイメージ。
(ちなみに現代は、川砂利100パーセントは難しいとか)

今回建築家の方々のお話を聞いて、丈夫なワケはそれだけじゃないと知りました。

当時はミキサー車がなかったから、現場で材料を練り練りしたそうです。
これが丈夫なもう一つの理由。

手作業。

イメージ的に、工場で作ったケーキよりも、
職人の手作りのケーキのほうがおいしいっていう感覚で
なんか無条件によさそうに感じてしまうのは私だけでしょうかバースデー

ミキサー車で大量に混ぜるとなると、
手で混ぜるよりも水分を必要とするので、質が下がるという理屈だそうです。
手で必要な分だけ混ぜて作れば、水分は適量で済むわけですね。
水が混じる量が多いと、それだけ密度が落ちるということかな?

さらに現代のミキサー車は、交通渋滞などを考えるとその間に固まっちゃったら困りますので、余計水を足してるそうです。

さらに、明石小学校の場合はコンクリートの打ちっぱなしではなく
その上から漆喰を塗っているので、コンクリートの中性化も防げていると思われます。
コンクリートの中性化というのは、実はまだよくわかっていませんが、
10年に数ミリレベルで、アルカリ性のコンクリートが中性化していく現象のことで、
これが鉄筋まで達すると酸性である鉄が膨張してコンクリートがひび割れるとか。
10年に数ミリでしたら、現在そんな心配は全くないと思われます。
(もちろん区の耐震診断で、こういうことも診断していると思いますし)

それと、「当時はコンピューターの計算やシミュレーションができなかった」というお話も面白かったです。

これって、すごいマイナスみたいじゃないですか?
計算できてる現代のほうが安全な建物が出来るよね、って思います。

ところが、ここからが面白いところ。
計算できるようになると、安全のために「最低限」必要な数値というのがわかってしまいます。
当然、コストを下げるためにはコンクリートもこの「最低限」に近い量しか使わないわけです。

ところが、計算できなかった戦前の建築は、
「これくらいやれば充分安全だろう」と安心できるまで、最大限の量を使ったわけです。
確かに、運転に慣れていないひとは車間距離を必要以上にとるでしょうし
裁縫に慣れていない人は縫い代を多めに取りたがります。
多いほうが安心できるからです。これって人間の心理ですよね。

良質なコンクリートをふんだんに使うことで、堅牢な復興建築が出来たわけですねぇ。

最後に、ある方の言った印象的な言葉をご紹介します。

「あとは、あの時代の気合がこれだけのものを造らせた。今では出来る筈がない」

おっしゃる通り、やはり人が作るものは、魂が宿ると言いますから。
あまつさえ現代よりもよりハンドメイド感あふれる建築です。
震災経験者の「絶対倒れないものを建ててやる!」という気合が、
現代では一番再現し得ないものなのかもしれませんね。

posted by 中村 at 01:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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